鼓膜形成術について
慢性中耳炎や、外傷性鼓膜穿孔で開いた鼓膜の穴をふさぐ手術を鼓膜形成術といいます。 鼓膜の奥、すなわち耳小骨や、内耳などに病変のない方が適応となります。
治療の流れについて
- 手術適応:診察をし、鼓膜に穴がある方は、、純音聴力検査、耳レントゲン検査をします。その上でパッチテストを行います。これは、鼓膜の穴を濡れた綿などで一時的に塞いで聴力が改善するか確かめます。鼓膜の他に病変がなく、パッチテストで聴力が改善する場合がよい適応となります。
- 手術の実際:手術は局所麻酔で行います。まず、耳の後ろから皮下組織を採取します。次に耳の中から鼓膜の穿孔縁を切開し、傷を新鮮化します。そこに皮下組織を貼り付けます。貼り付けにはフィブリン糊を用います。
注意
耳から膿が出ている場合は、外来治療し、乾燥してから手術を行います。また、中耳内の病変が高度でパッチテストで聴力の改善がない場合、関連病院に紹介します。
術後の経過
当院でが安静のため、一泊入院をお願いしています。術後は鼻をかまないようにお願いします。穿孔縁から血管が再生し、移植片が上皮化するまで数週間かかります。