補聴器について
補聴器購入の流れ
当院は補聴器適合判定施設です。補聴器を希望される方には最初に診察を受けて頂きます。その後、精査、治療で改善の見込みがなく、補聴器の適応と判断された場合試聴開始となります。補聴器購入は原則、認定補聴器技能者へ紹介、紹介後も補聴器が適切か適合検査を含めたフォローアップも行っています。難聴の方に本当に合った補聴器ななるまでは何度か調節が必要です。
難聴レベルと補聴器
純音聴力検査で難聴の程度を見ます。
| 難聴の程度 | 聴力レベル(dB) | 日常生活への影響 |
|---|---|---|
| 軽度難聴 | 25〜40 dB | 小さな声や騒がしい場所での会話が聞き取りづらい |
| 中等度難聴 | 41〜70 dB | 普通の会話が聞き取りづらく、テレビや電話に支障が出る |
| 高度難聴 | 71〜90 dB | 大きな声でも聞き取り困難。補聴器が強く推奨される |
| 重度難聴 | 91 dB以上 | 音の認識がほとんどできず、補聴器や人工内耳の検討が必要 |
👂 補聴器の適応について
補聴器は、難聴の程度や生活環境、患者様の希望に応じて適応が判断されます。
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軽度〜中等度難聴:仕事上聞き逃しが出来ない方などでは補聴器の効果が高く、日常会話の改善が期待できます。
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高度難聴:補聴器の装用により、音の認識や会話の理解が可能になります。適切な調整が重要です。
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重度難聴:補聴器での改善が難しい場合は、人工内耳などの選択肢も含めて専門医と相談が必要です。
- 聞き取り困難症、一側性難聴:純音聴力検査で正常でも環境などにより聞き取りが困難な方(聞き取り困難症)、一側だけの難聴の方は補聴器が必要かご相談しながらの装用になります。
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🗣️ 語音聴力検査について
語音聴力検査は、「言葉の聞き取り能力」を調べる検査です。通常の聴力検査(純音聴力検査)が「音の大きさ(周波数)」に対する聞こえを測るのに対し、語音聴力検査では「言葉(語音)」をどれだけ正確に聞き取れるかを評価します。
検査では、ヘッドホンを装着し、「あ」「き」「さ」などの単音や、実際の単語を聞いて、聞き取れたかどうかを答えていただきます。これにより、補聴器の効果や、言葉の理解力を客観的に把握することができます。
🔍 なぜ語音聴力検査が重要なの?
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補聴器の適応を判断するため
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補聴器装用後の「言葉の聞き取り改善度」を評価するため
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加齢性難聴や感音性難聴では、音は聞こえても言葉がはっきりしないことがあるため
🎧 補聴器との関係 補聴器は「音を大きくする」機器ですが、語音の聞き取り能力が低下している場合、音が大きくなっても言葉の理解が難しいことがあります。そのため、語音聴力検査の結果は、補聴器の選定や調整にとても重要です。
補聴器の種類について
補聴器には、形状や機能の違いによっていくつかのタイプがあります。聞こえの状態やライフスタイル、装用のしやすさなどを考慮して、最適な補聴器を選ぶことが大切です。
👂 耳かけ型(BTE:Behind The Ear)
耳の後ろにかけて使うタイプで、最も一般的です。難聴が軽度の場合耳を塞がないオープンタイプもあります。以前より小さく目立ちにくくなっています。
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特徴:本体が耳の後ろにあり、音をチューブで耳に届けます。
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メリット:操作がしやすく、電池交換も簡単。幅広い聴力に対応。
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デメリット:やや目立ちやすい。
👂 耳あな型(ITE:In The Ear)
耳の穴に収まるタイプで、オーダーメイドが基本です。
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特徴:耳の形に合わせて作成され、装着感が良い。
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メリット:目立ちにくく、電話やマスクの邪魔になりにくい。
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デメリット:小型のため操作が難しい場合も。重度難聴には不向きです。
👂 耳あな深部型(CIC:Completely In the Canal)
耳の奥にすっぽり収まる超小型タイプ。
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特徴:外からほとんど見えない。
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メリット:非常に目立ちにくく、自然な聞こえに近い。
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デメリット:電池が小さく、交換頻度が高い。操作が難しい場合も。
📱 ポケット型
本体をポケットなどに入れ、イヤホンで音を聞くタイプ。
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特徴:昔ながらのタイプで、操作が簡単。
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メリット:ボタンが大きく、高齢者に使いやすい。
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デメリット:コードが邪魔になりやすく、見た目が目立つ。
🧠 難聴と認知症の関係
近年の研究により、加齢性難聴が認知症のリスクを高める可能性があることがわかってきました。聞こえにくさが進むと、会話や社会的な交流が減り、脳への刺激が少なくなることで、認知機能の低下につながると考えられています。
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難聴のある高齢者は、認知症の発症リスクが約2〜5倍高いとする報告もあります。
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聞こえづらさによる孤立感や抑うつも、認知症の進行に影響を与える可能性があります。
🎧 補聴器購入に関する助成制度(由利本荘市、にかほ市)
① 身体障害者手帳をお持ちの方(全年齢対象)
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制度名:障害者総合支援法による補装具費支給制度
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対象:身体障害者手帳(聴覚障害)を所持し、医師の診断により補聴器が必要と認められた方。身体障害者に該当するかは診察の際ご相談ください。
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助成内容:補聴器購入費の原則1割負担(所得により減免あり)
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申請先:市町村の福祉課
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必要書類:身体障害者手帳、医師の意見書、補聴器の見積書など
② 成人の軽度・中等度難聴者(身体障害者手帳の対象外)
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制度名:軽度・中等度難聴者向け補聴器購入費助成制度
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対象:18歳以上で身体障害者手帳の交付対象外の方
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条件:
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市内に住所があること
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両側の軽・中等度難聴で医師が補聴器装用の必要性を認めること
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過去5年以内に同制度の助成を受けていないこと
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助成内容:購入費の2分の1(上限5万円ですが、収入により異なります)。
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申請時の注意:購入前に申請が必要。申請後に購入した場合のみ助成対象。予算が無くなることあり。
③ 18歳以下の軽度・中等度難聴の方
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制度名:難聴児補聴器購入費助成事業(市町村による独自制度)
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対象:身体障害者手帳の交付対象外の軽度・中等度難聴児(18歳以下)
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目的:言語発達支援と生活の質向上
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助成内容:購入費の一部(県が三分の一、市町村が三分の一)
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申請方法:医師の診断書と補聴器の見積書を添えて市町村へ申請
📝 注意点とアドバイス
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助成制度は市町村ごとに異なるため、由利本荘市、にかほ市の福祉課など、居住地の窓口で詳細を確認することが重要です。
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補聴器購入前に耳鼻科で診断を受け、医師の意見書を取得する必要があります。
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医療費控除の対象となる場合もあるため、確定申告時に領収書と診断書を保管しておきましょう
