めまいについて
めまい・ふらつきの原因として脳梗塞などの危険なめまいは適切な対処が必要になりますが、その頻度は多くありません。脳血管障害が疑われる場合には高次救急病院を紹介させていただきます。耳鼻咽喉科で見る代表的めまい以下のようなものです。
良性発作性頭位眩暈
メニエール病
メニエール病は、内耳に内リンパ液が溜まることにより、めまい、難聴、耳鳴を繰り返すのが特徴です。内リンパ液が溜まる誘因として、低気圧など気候の変動や、ストレス、不眠、女性の場合は生理などがあります。 ストレス刺激によって体内に放出され,ストレス反応を引き起こすホルモンを総称してストレスホルモンと呼びますが、その一つが抗利尿ホルモンです。抗利尿ホルモンが内耳の水チャネルに作用し、内耳に内リンパ水腫が出来ます。水腫は増大・縮小し、メニエール病は繰り返すと考えられています。聴力検査では低音域の悪化、改善が特徴的で繰り返すと全体的に悪化していきます。また、典型的なメニエール病のめまい発作は8時間から半日程度続く激しい回転性めまいです。その時に赤外線カメラで観察すると水平回旋性の眼振が見られます。安静、点滴などで治療しますが、繰り返すことがあります。また、メニエール病のかたは、頭を動かしたときにめまいがする(2次性)良性発作性頭位めまいもしばしば起こします。その場合は、特に安静は必要ありません。そうしてめまいは落ちついていきますが、少数の人は立位でのふらつき、動くものを見ると起こるめまいに移行することがあります。これをPPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)といい、めまいのリハビリテーションが必要となります。治療は急性期には利尿剤、ステロイド、抗めまい剤などを用いながら、安静を保ちます。慢性期には、ストレスなどの誘因を避けながらの生活が必要となります。五苓散などの漢方薬も有効です。メニエール病の確定診断には内耳のMRIが有用ですが、内耳のMRIが取れる医療機関は少なく、ご希望の方はご相談ください。
前庭神経炎
前庭性片頭痛
PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)
心因性めまい
起立性低血圧