アルゴンプラズマ療法について

 アルゴンプラズマ療法は、アレルギー性鼻炎の治療法の一つです。アレルギー反応が起こった鼻粘膜は浮腫状に腫れます。この腫れた粘膜をアルゴンガス中の放電により均一に凝固させる治療法です。局所麻酔の注射を必要としないため副反応が起こりにくく、外来で比較的安全に行うことができます。

方針イメージ

治療の流れについて

  • 鼻の中に麻酔薬のついたガーゼを挿入し、約30分安静にします。血圧を測定します。途中一度ガーゼを交換します。
  • ガーゼをぬきます。鼻の中で最も肥大している下鼻甲介をアルゴンプラズマで焼灼していきます。匂いがしますが痛みを感じることはあまりありません。痛みを感じるときは術中に医師に伝えてください。両側の下鼻甲介全体を焼灼するのに10分弱位かかります。術後具合を確認して終了です。
  • 表面を浅く焼灼するため出血はあまり心配ありませんが、手術当日は激しい運動、飲酒、長時間の入浴は避けてください。術後2週間くらいは下鼻甲介全体にかさぶたが付着するため鼻が詰まります。かさぶたを取り除くため数回通院すると楽です。その後焼灼した粘膜が瘢痕収縮し鼻づまりが改善します。術後数年効果があると言われていますが、再度焼灼することも可能です。術後数日は止血剤、抗生物質を服用していただきます。

注意すること

  • 心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方はこの手術を受けることが出来ません。また、ワーファリン服用中など血液凝固しにくい方も手術は出来ません。また、経験上小学生以下の方は手術中に安静を保てないため十分に焼灼出来ないことが多いです。
  • 鼻中隔湾曲など鼻が曲がっていたり、狭かったりすると十分に焼灼できないことがあります。また、下鼻甲介肥大が高度の方は、この手術では鼻閉の改善が不十分のことがあります。そのような方には、鼻中隔矯正術や下鼻甲介骨粘膜下切除術を勧めることがあります。その場合は短期入院の上手術を行います。
  • 手術は予約制です。手術適応の判断もありますので、まずは一度受診をお願いします。